ストーリー

Chapter1 キャラオープニングシーンno.1 《神の子》調査ファイル――旭レイジの場合

文/河端ジュン一

 神よ、我々の過ちを赦したもう。
 今日、我々は、ふたつのミスを犯した。
 ひとつは、彼を捕獲対象に選んでしまったこと——彼は最初、輸送中の車内で面倒くさそうに無抵抗をつらぬいていた。
 しかし、我々が他にも神醒術士を狙っていることを喋ると、表情を一変させた。

「この街には手を出すな。今の生活は、わりと気に入ってるんだ」

 そう言って彼が顕現させたのは、荒武者の姿をした神だった。私は思わず、目を剥く。
「まさか、このような幼い少年が、たったひとりで……日本神話の最高位を!?」
 このときに大人しく彼を帰していればよかったのだろう。
 だが我々は力をもって彼を抑えつけようとした——これが、ふたつ目のミスだ。

 神が剣を振るう。その一薙ぎで、私の護衛兵が斬り捨てられる。瞬く間に惨状が広がる。破砕。粉砕。撃砕。
 無表情に破壊を続ける神と、その使役者である少年に、我々の抵抗は意味をなさない。
 残った護衛兵たちは、無理やりに互いを鼓舞する。
「耐えろ、反撃の好機はあるはずだ! いかに強大な神と言えど、いずれ力尽きて——」
 しかし私は知っていた。彼が操る神の性質を。一度でもこちらが弱みを見せれば、かの存在を止める術はない。

 我々は神の怒りに触れたのだ。これは、その報い。
 もはや私には、両手を組み、祈ることしかできない。
 ああ、神よ。我々の過ちを赦したもう。どうか。どうか。